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■2021/09/16

金属の表情に魅せられて

久保沢在住小林さん 鍛金(たんきん)作家 23日から個展

(上)作品「ふうき」200×65×95mm(右下)金属を叩く作業(左下)取材に答える小林さん=2日、久保沢

 金属工芸技法の一つである鍛金に魅せられ、黙々と金槌で叩き続ける鍛金作家が区内にいる。久保沢でアトリエ「atelierBOCO」を営む小林秀幹さん(50)。毎日あらゆる金属たちと向き合い、滋味にあふれる作品を世に送り出してきた。アイデアや技法が円熟味を増す中、個展、グループ展などへの出品に向けてさらなる意欲を燃やし続ける。

達成感が原動力

 ものづくりの始まりは小学1年生のとき。夏休みの宿題で、拾ってきた角材から1本のバットづくりを試みた。かんななどの工具を使って完成させ、得も言われぬ達成感に満たされた。それがやがて創作への欲求、原動力となり、高校を経て多摩美術大学に進学。ガラスか金属の2種類から専攻を選ぶにあたり、講義を受けていた教授が鍛金を専門としていたことからその道へ。一瞬のうちに形づけられるガラス工芸と違い、金槌で時間をかけて作り、「素材と対話できる」ところに惹かれた。素材と向き合い、納得いくまで作り込みたいとの思いが自身を金属工芸へと向けさせた。

 「素材を理解して良い面を引き出せるかが大事」。作業は機械を使わずすべて手で行い、金属の「風合い」が出るまで何度も、何度も叩き続ける。そのうち金属が「心を開く」ようになり、心地よい手触りや色合い、そして風合いの妙が生まれる。金属の種類など素材一つとっても違いが出るため、工程では自身がめざしたい作品の形状と金属が向かう形との折り合いをつける難しさがつきまとう。ただ、手探りで形を決めていくところに醍醐味もある。

 同大大学院デザイン研究科を修了し独立。やがて立地環境を考慮し、久保沢にアトリエを立ち上げた。これまで各種展示会やコンテストへの出品を続けてきたが、そのアイデアの着想はスケッチブックで絵を描いたり、取り組んでいる作業の見方を変えて別の制作に取り入れたりとさまざま。そうすることによって生み出される作品からは柔らかさや多様な色が生じ、展示会などで実際に目の当たりにした観客の多くは驚きを隠さない。

作品の共感に喜び

 作家として大事にしていることは、作品を通じて観る人と「イマジネーションのコミュニケーションを図る」こと。作品から思いを発信し、金属が醸し出す表情を一緒に共感してくれることに喜びを感じている。

 アトリエでは、およそ20年にわたって教室も開いている。参加者は市内外から集い、アドバイスを受けながら花入れやオブジェなどを思い思いに作っている。「自分の手で作り出せる楽しみを感じてほしい」と願う。

山梨県で個展開催

 9月23日(木)からは今年で21回目となる山梨県での個展を開催。金属を引き立てる木工細工やアクセントに使われる漆などの「遊び心」や、細部へのこだわりが見所だ。「一瞬の華やかさを見せるための工夫に注目してくれたら」と強調する。

 今後は5メートル四方もの大型モニュメントづくりのほか、機会があれば市内での個展の開催に意欲を見せる。コロナが明けて渡航が自由になれば、中東の歴史的な金属の加工を見学し、新たな創作活動への刺激にしていくつもりだ。「世の中に一つだけのものをこれからも作り続けたい」。飽くなき探求心を金槌に込め、めくるめく鍛金の世界を追い続ける。

〇「小林秀幹展〜いろとりどりの金属たち〜」…9月23日(祝・木)〜10月5日(火)、八ヶ岳倶楽部(山梨県北杜市大泉町西井出8240の2594)で開催。時間は午前10時から午後5時30分。9月29日(水)は休廊。

 展示、教室などの詳細および、問い合わせついては、アトリエ「BOCO」のホームページ【URL】https://atelierboco3.wixsite.com/atelierbocoへ。

情報提供元:(株)タウンニュース社

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