三菱重工相模原ダイナボアーズ新人広報に密着!あふれるチーム愛に迫ります
2023/02/04

元tvkアナウンサーがホームタウンチームの広報に就任。地域愛が高じてこの仕事についたという長澤彩子さんの、持ち前のガッツと溢れんばかりの相模原愛で頑張る姿をレポートします。
ディビジョン1に昇格し、2023 年シーズンの初戦も快勝と、好スタートを切った三菱重工相模原ダイナボアーズ。
長澤さんを訪ねて三菱重工の工場そばにある田名のグラウンドを訪れたのはホームの相模原ギオンスタジアムで開催されるトヨタヴェルブリッツ戦の2日前の12月23日でした。

「今日出社したのは 8 時くらいですね。午前中は写真や動画の撮影、昼食後はあさって の試合のメンバー発表がありますので事務作業をやって、午後はクリスマスのイベントがあるのと、また練習の撮影をします。あいまにTwitterや Instagram、YouTubeなどSNSへのアップをします」

選手の魅力を伝える役割
グラウンドを動き回って選手の写真を撮る長澤さん。新シーズンになって選手の写真を求められることも多いそう。今シーズン20人を超える新加入の選手がおり、大変なのがお祝いのメッセージをあげるために全員の誕生日を把握することだそうです。
「地方局だとアナウンサーが動画を撮ることもあるんですが、tvkは完全分業制だったので。在職時代に動画の撮影はしたことがなかったです」


フォワードの全体練習でひととおり撮影したあと、リハビリ中の選手に声をかけてじっくり撮影していきます。
「ラグビーは怪我の多いスポーツですが、グラウンドに立てない選手も一緒に戦っているんです。そういう選手にもスポットを当てることが、復帰への励みになると思っています」
ファンへの情報発信とともに、モチベーションアップにつながることも意識して、選手のチェックしやすいタイミングで情報を更新するなどの工夫もしているそうです。

新たなファンを開拓したい
グラウンドでの撮影を終え、今度はジムに移動し、こまめに動いて様々な選手の動画を拾っていきます。
生まれも育ちも相模原という長澤さんが広報に転身したきっかけは、2019年のワールドカップの際にパブリック・ビューイングなどのイベントにかかわったこと。
「その縁でちょこちょこ連絡をとるようになったんです。それからコロナになって、アナウンサーの活動にも制限がかかるようになりました。そんななかでスポーツの醍醐味って何だろうと考え、この仕事をやってみようと決めました。これまでのラグビーファンは中高年の男性が中心でしたけど、ダイナボアーズではじめての女性広報として、女性の目線で同世代の新しいファンを開拓していきたいです」

長澤さんが広報に就任したのは2021年6月。様々なスポーツの報道にかかわってきたな かで感じたのは、ファンと選手の距離の近さだったそうです。
「毎年ダイナボアーズフェスタというイベントがあって3000人ぐらいのファンが集まります。ところが、コロナでそうした交流が一切できなくなりました。試合のできないことはもちろん、そうした活動ができなくなったことがもどかしかったですね。そのぶん、選手の素顔を伝えたり、魅力を発信していく広報の役割が重要だと思っています。うちの選手ってグラウンドの上では勇ましいけれど、ほんとうにみんな優しくて、いい人たちなんですよ」

練習が一段落し、ロッカールーム、ミーティングルーム、食堂など施設を案内していただきましたが、すれ違う選手やスタッフと楽しげに話す長澤さん。ちょっとつかまって相談を受けることも。初戦を快勝したこともあり、雰囲気は上々のようでした。
「ラグビーチームは小さな会社みたいな組織で、社風のような培ってきた文化とか伝統があります。その文化を知らないと選手の邪魔になってしまいます。このタイミングでは話しかけては駄目だとか、流れをつかむのはむずかしかったですね。練習の全体写真をとると戦術がみえてしまうとか、やっていいこと、いけないことをひとつひとつ学んでいきました」

ラグビーにはスポーツの要素がすべてある
「ラグビーは究極の団体競技です。たとえばスター選手が 1 人入ってきたからといって勝てるようになるわけではありません。グラウンドに出ていない選手やスタッフも含めて、 同じ目標に向かってみんなが助け合う。2mを超える大きな選手と、160cmくらいの選手が同じフィールドで戦うのも魅力です。ぶつかる、ける、走る、投げる、スポーツの要素がすべてあります。ぜひスタジアムにきて、音とか五感で体感してほしい。イヤホンがあればスマホで聴けるラジオ解説もあるので、ルールがわかってなくても大丈夫です。この選手がかっこいいので応援したいとか、“推し”がみつかると思います」
12月25日の相模原ギオンスタジアムでは先着3500名にオリジナルホッケーシャツのプレゼント、キッチンカーを集めてのスタジアムグルメ、地元野菜などの販売、公式チアリーディングチーム「ダイナスターズ」の演技など、様々な催しが開催されていました。
そして試合は、前半リードを許す苦しい展開だったものの、後半逆転し、27対25で見事勝利。
この勢いを後押しできるよう、一緒に応援していきたいです。