スパゲッティ消費量が全国トップレベルの相模原市。
「スパゲッティのまち・相模原」に向けて、開発された「さがスパ」とは?
2022/01/26

相模原市のスパゲッティ消費量が総務省調査で日本一(2015~17年)だったことから、スパゲッティで地域を盛り上げようと、2020年に考案されたのが相模原生まれのスパゲッティ「さがスパ」。1年を通じた取り組みや今後の展望について、「さがスパ」の生産を行う「相模原スパゲッティ協会」の和知達也会長にお話を聞きました。
―「さがスパ」を開発した経緯について教えてください。
相模原市が「日本一のスパゲッティ消費量」であったことから、市民に身近な食品として、スパゲッティを核に新ご当地グルメを開発しようと2019年10月、(公社)相模原青年会議所(以下:JCI相模原)の1年後に行われるイベント事業の一環として、「さがスパ」の開発がスタートしました。
そもそもの話になりますが、呼称ひとつとっても、スパゲッティなのかスパゲティなのか、スパゲッティとパスタの違いは何なのか・・・そんな知識の低いところから、スパゲッティ開発がはじまりました。
―たしかに色々な呼び方がありますね。ちなみに正解はどちらですか?
一般的な見解として、スパゲッティはイタリア語で、スパゲティは英語の呼び方のようです。どちらも不正解ということはなく、私たちは「スパゲッティ」を採用しています。
また、パスタは「小麦粉を練って製造した食品の総称」であり、スパゲッティは「小麦粉を練って棒状に細長くしたもの」、つまりパスタの中の一部をスパゲッティと呼ぶようです。
―では、「さがスパ」は本場(?)イタリアということなんですね(笑)。製造場所は相模原で作られているのですか?
そうですね。地元食材、地元企業、そして市民で消費するよう、地産地消の考えを踏まえて開発を進めました。
具体的にいうと、麺素材の小麦粉は相模原産のものを混ぜ、製造企業は相模原市緑区にある企業「せき製麺」に麺づくりを依頼しました。
また、監修は相模原調理師専門学校講師でイタリア料理シェフの堀江達也氏に頼み、小麦の挽き方まで相談しながら進めていきました。
さらに、パッケージデザインや商品名などは近隣にある多摩美術大学の学生さんに協力いただき、1年ほどかけて、ようやく形になりました。

学生時代にイタリア料理に魅せられ、イタリア料理店で修行後イタリアへ。10年近くイタリアで料理を学ぶ。帰国後は新店舗立ち上げなどに携わり2014年より元町のパパダビデで勤める。同時に相模原調理師専門学校にてイタリア料理の講師として育成に力を入れる。現在は伊勢佐木町のグランドゥーカで店舗経営している。
―地域資源をふんだんにお使いになっていて良いですね。まさに「さがスパ」。
ただ、ふんだんに使うとダメなのが小麦粉で、多く使うとうどんの質に近づいてしまいます。
「せき製麺」は普段、うどん麺の製造を行っている企業で、「スパゲッティ」をつくるのに何度も試行錯誤を重ねていただき、関係者で試食しながら、作り上げていきました。
―記念すべきお披露目はどのように行われたのでしょうか?
イベントに向けて「さがスパ」開発事業が進んでいて、イベントの企画の一つで「グルメ企画〝S-1グランプリ〟」を実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、リアル開催は見直され、オンライン開催へと進みました。
どう披露するかを検討する中、S-1グランプリの審査員の一人で「伝説の家政婦」として知られるタサン志麻さんによる「さがスパ」を使ったオリジナルレシピを考案し、オンライン上でのデビューとなりました。

大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業。ミシュランの三ツ星レストランでの研修を修了して帰国後、老舗フレンチレストランなどに15年勤務。2015年にフリーランスの家政婦として独立。各家庭の家族構成や好みに応じた料理が評判を呼び「予約がとれない伝説の家政婦」としてメディアから注目される。


―おいしそうですね。購入したい場合、「さがスパ」はどこで買えますか?
市内のスーパーマーケットやさがみはらアンテナショップ「sagamix(サガミックス)」などで購入することができます。インターネット販売も行っていますので、ぜひお買い求めいただければ嬉しいです。
また、「さがスパ」を取り扱っていただいている飲食店も市内に複数あります。それぞれがメニューを考案してくれていますので、飲食店を回ることで色んな味わいを楽しむことができるはずです。HP上で紹介をしていますので、ご覧いただき、ぜひ制覇してくださいね。
―早速、購入したいと思います。開発後はどのような動きがありましたか?
まずJCI相模原の活動は単年事業となっているため、「さがスパ」を運営していくにあたり、「相模原スパゲッティ協会」と3つの企業からなる「販売グループ」を立ち上げました。
両者とも取り扱っていただける店舗や飲食店に働きかけながら「市民に知ってもらうこと」に注力しています。販売グループでは、売上の一部を相模原市のコロナ対策支援金へ寄付するなどの活動も行っています。

私自身もそうでしたが、スパゲッティ消費量が日本一となったことや、現在も全国上位に入っていることを多くの市民が知らないと思います。「さがスパ」を通して、相模原にスパゲッティ文化を根付かせたいと考えて、初年度は主婦の方にアプローチをしてきました。
この動きを継続しながらも、子どもの頃から「さがスパ」があるのが当たり前となるように、学校給食で取り扱っていただけるようにも働きかけていきます。学校関係でいえば、相模原市緑区にある内出中学校の生徒が考えたパッケージデザインを期間限定で使用することが決まっています。
また、2021年は市内だけでなく、市外への周知にも動き出しました。12月から全国トップレベルの利用者数を誇る海老名サービスエリアでの販売、また「ふるさと納税」の返礼品にも登録いただけるよう手続きを行っているところです。
―まずはスパゲッティ文化の根付きですね。
その通りです。「相模原をスパゲッティのまちに」が私たちの目指すところです。
相模原に新たな魅力を創出することで、市内外の方が相模原に魅力を感じるようになり、市外からの観光や移住などの流入を増やしていき、市民にとってはシビックプライドの醸成につながる取組になればと思い、活動しています。
―最後に「食べた感想」について教えてください。
相模原の豊かな水と小麦が配合された、ご当地麺「さがスパ」は、ソースに絡みやすい、生パスタ製法の独自麺です。従来のスパゲッティよりもモッチリとした食感となります。
味はズバリ「不思議」です。スパゲッティなのか、うどんなのか。。。そんな不思議さもお楽しみください。

【情報】
相模原スパゲッティ協会HP https://sagasupa.com/
販売グループ代表会社 株式会社S.C.D https://www.sagasta.jp/