豊かな自然の中のテレワーク拠点 地域活性化や新しい働き方を発信
2021/10/11

新型コロナウイルス感染症のまん延により人々の暮らし方や働き方は変化を余儀なくされました。オフィス以外の場所で時間にとらわれずに働く「テレワーク」を導入する企業も増えています。相模原市はそんなニューノーマルな時代に対応するため、2021年7月からJR中央本線「藤野駅」近くの藤野総合事務所会議室棟(旧藤野町役場)をリノベーションし、地域内外の交流拠点となるテレワーク施設「森のイノベーションラボFUJINO(愛称・森ラボ)」を開設しました。「SDGs with ART」をコンセプトに地域活性化や新しい働き方を応援する実証運営を2022年3月31日まで行っています。
地元産木材に特産品展示も
人と人をつなぐホワイトボード
森ラボは「森ラボCOWORKING」(2階)と、「森ラボOFFICE」(3階)で構成されています。2階部分の森ラボCOWORKINGはコワーキングスペース。一歩中に入ると地元産木材の「さがみはら津久井産材」を使用したボードが目に飛び込んできました。ボードには棚が取り付けられ、地元の特産品が並んでいます。利用者の方々などからは、「私はこんなことができます」、「こんなことはできませんか?」といったメッセージが書き込まれていました。当日お話を伺った市の森ラボ担当者によれば「ボードは利用者同士や利用者と地域をつなぐ役目を果たしている」とのことです。旧藤野町役場のころから使用されていた机やイス、テーブル、ソファなどがアップサイクルされ、新たな施設で有効活用されていました。肝心の仕事スペースは、開放的な大きな窓の近くにネットワーク環境が整った15席を設置。テレワークで活用するのに快適な空間が確保されていました。2階フロアは、全体のイスやテーブルを整理し、セミナーなどの会場として使用することも可能です。受付にはコミュニティガイドが常駐しており、利用者のさまざまな相談にも乗ってくれます。



3階の森ラボOFFICEは、オフィススペースとして6名で使用できるミーティングルームやオンラインミーティングなどで使用できるパーソナルブース、会議スペースなどがあり、ゆとりのあるレイアウトで感染症対策としての距離も十分取られています。利用者は現在のところ、1日平均12人。全体の約20%が市外の人だそうです。市森ラボ担当者は「地域内外の交流を促進することで、人と人がつながり、地域活性化を図りたい」と話してくれました。

コワーキングスペースやオフィススペースは働く場ではありますが、森ラボはただ働くための場ではなく、利用者同士や利用者と地域を繋ぐ場を目指しています。現在は、月に1回程度のペースでオンラインでも参加できるイベントが開かれています。イベントでは全国で先鋭的な取組をされている方や地域で活動している方、芸術のまち藤野ならではのアーティストなどが参加し、持続可能なまちづくりの実現に向けた議論などが行われています。実際に、イベントの参加者や講演者がつながり、新たなビジネスの検討が始まった事例も出ています。森ラボの利用者や大学生たちが意気投合し、「VR(バーチャルリアリティ)」の活用によって地域課題の解決に乗り出そうとするプロジェクトも走り出しました。
森ラボは、都心に近く自然が豊かで、アーティストなどの人材が豊富な地域にあることなどの強みを生かしながら、ニューノーマルに対応するテレワークの拠点としての運営はもとより、人と人とのつながりから生まれる柔軟なアイデアや先端技術などの活用で、持続可能な社会を実現する様々な取組にチャレンジしています。ぜひ、一度立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
『森のイノベーションラボFUJINO(愛称:森ラボ)』
[住所] 相模原市緑区小渕2012(2階・3階)
[営業時間] 月曜日から土曜日の午前8時30分から午後7時まで
※施設利用は市内外を問わず誰でも可能。初回利用時に受付で
利用登録をするため、Suicaなどの交通系ICカードをご持参ください。
[公式HP]http://morilab-fujino.jp/
[公式Instagram]https://www.instagram.com/morilab_fujino/?hl=ja
