相模原の新名産づくりに奮闘中!?「相模レッド」とは?
2021/11/01

市内各所で生産されているブルーベリーをはじめ、梨やぶどうなど、豊かな自然をもつ相模原市では果実生産が盛んに行われています。その中で、ひそかに話題となっている「相模レッド」について紹介します。取材に応えてくれたのは、相模原市果実組合キウイフルーツ部会の長谷川辰夫部会長です。
―「相模レッド」について教えてください。
長谷川:果実部会では、相模原市で生産している「キウイフルーツ」を色ごとに分けて愛称をつけているんです。一般的に知られている緑のキウイフルーツを「相模グリーン」。黄金色に輝くものを「相模ゴールド」。そして、中心の果肉が赤いものを「相模レッド」と呼んでいます。

左から「相模グリーン」「相模ゴールド」「相模レッド」
―「相模レッド」は他のものと比べると、何が違うのですか?
長谷川:見た目はもちろん、味が全く違うんですよ。キウイフルーツといえば、グリーンの少し酸っぱい味を想像すると思うのですが、ゴールド、レッドの順に甘さが増していきます。
―どのくらい甘いのでしょうか?
長谷川:糖度でいえば、20度ほど。他の果実でいえば、マスカットなどが挙げられますね。キウイフルーツが苦手な人に多い「酸っぱいのが苦手」という人でも全く問題なく、むしろ本来ある酸っぱさが引き立て役となり、酸っぱさはほとんど感じないほど、甘さが前面にでています。酸味を例えるなら、スイカに付ける塩みたいなものですね。
初めて口にした時は、キウイフルーツからは想像もできない甘さに衝撃を受けましたよ。
―他に特徴はありますか?
長谷川:他の品種に比べると、少し小ぶりではありますね。男性の手の平で、少し収まらない卵くらいの大きさです。

それと保存方法ですね。キウイフルーツを美味しく召し上がってもらうためには、収穫後に完熟させる“追熟”が必要になるのですが、エチレンという成熟ホルモンを促進させるために、一般的にリンゴやバナナと一緒に保存すると言われています。しかし、「相模レッド」に関しては、常温保存で完熟させることができます。
―栽培の苦労について教えてください。
長谷川:とにかくツルの量がすごいんですよ。剪定して処分、剪定して処分の日々でしたね。摘蕾・摘花や受粉作業は日頃から苦労していますけどね。手間作業は多いのは苦労している点といえますかね。
―目指しているところは?
長谷川:甘さの衝撃を受け、生産を始めた5年前から目指しているのは「ブランド化」です。嬉しいことに多くのメディアから声がかかるようになってきましたが、まだまだ知らない人の方が多いです。まずは知ってもらえるよう、生産数を上げ、広く出荷できるよう努めたいと思います。
現在は、キウイフルーツ部会に所属する7軒で「相模レッド」を生産しており、年々出荷数を増やしています。今年は日照条件も良いことに加えて、台風の影響も少なかったため、私の圃場だけでも昨年に比べ、1.5倍も伸ばすことができました。
また、果実組合では技術向上の講習会を開いている中で、「相模レッド」の新規生産に手を挙げる人もいるので、一歩一歩進んでいるのではないかと思います。

―最後に販売場所を教えてください。
長谷川:販売している場所はJA相模原市が運営している直売所「ベジたべーな」(中央区青葉3-1-1)や「ベジたべーなmini」(中央区中央6―10―10)のほか、各生産者が庭先などで運営している直売所などがあります。各生産者の情報については果実組合のホームページをご覧になってください。
最盛期は10月下旬から11月上旬と、まさに“今”ですので、ぜひお買い求めいただき、ご賞味ください。
【情報】
[相模原市果実組合ホームページ] http://sagami-fruit.jp/
[JA相模原市ホームページ] https://www.jakanagawa.gr.jp/sagamihara/index.html